子供の生み出す絵、発想力は本来、とても自由なものであり
大人の常識をはるかに超えています。
大人になると、日々の色々な経験から
「こうあるべき」という思考回路へ無意識になってしまいがち。
さらに最近の子供たちに見られる傾向として
大人は良かれと思って教えているつもりでも、子供の先回りばかりをして
本来あるはずの子供の自由な発想力の芽を摘み取ってしまっていることも。
すると自分でなにも考えられず、すぐに大人にどうしたらいいか
聞くような子供になってしまう・・・。
そうならないために、RinのWSに来てくださった
とある親子のエピソードをご紹介します!
あなたの中の常識は誰にとっても同じなの?
空は青色、雲は白、カエルは緑色、桜はピンク。
ペンギンは羽が小さいし飛べない。
これって誰が見ても同じようにそう見えるのでしょうか?
空も時間帯によっては水色やオレンジ色、ピンク色、紫色・・・
時と共に彩りを変えていく。
桜もピンクの濃いものもあれば、白っぽく見えるものもある。
また、同じものを見ても、人それぞれその時の心境で
違った色に見えることもありますし、頭に思い描いた想像の世界を
目の前のものへ投映してイメージする方もいると思います。
それを絵に表現するのって自由だと思いません?
感じたまま、イメージしたまま自由にスケッチブックに描き出す。
そうしていくことで独創的なアートが生まれるのではないでしょうか。
ですが、大人になればなるほど自由な発想をもつことが難しくなる。
「親に教えられてきたから」 「先生にそう教わったから」
無意識でそれを常識と思ってしまっているんですよね。
授業参観で見た先生の教え方に違和感
わが子の授業参観。 その日は美術の授業だったので楽しみに向かいました。
クレヨンを使って空の絵を描いている子供たち。
先生は、生徒の様子を見ながら、時々なにか声をかけながら授業は進んでいきます。
そして、ある生徒のところで立ち止まった時に先生が言った言葉に
私は衝撃を受けました。
「太陽はその色じゃないでしょ!」
そういわれた子は、ちょっと悲しそうな表情をしながら描きなおしていました。
大人の常識から言ったら 「太陽=赤やオレンジ」 なのでしょうね。
その生徒は、赤ではない色で太陽を描いていたんです。
既に絵を教える立場にあった私は、先生のその言葉にとても違和感を覚えました。
だって、その子の中で太陽は「赤」ではなかったんだから
自由に描かせてあげないと常識まみれの大人になってしまうよって。
やわらか頭の女の子と常識頭のお母さま
とあるイベントに出たとき、まだ幼稚園にも入っていないような女の子が
体験に来てくれた時のこと。
選んだデザインは「かえるちゃん」
かえるちゃんを塗る際に、女の子が選んだ色はかわいらしいピンク色。
ピンクで塗りたいといった女の子にお母さまは
「ピンクのカエルはいないよ。カエルは緑でしょ。」
はい、確かに大人の常識から言ったら緑色が一般的。
でもその女の子のイメージではピンク色。
きっとピンクが好きだったから選んだのかもしれませんね。
その時、このまま黙っているべきかどうかって一瞬迷いましたが
思い切って私は女の子に向かってこう言いました。
「絵の世界はね自由なの。だからピンク色のカエルもいてもいいんだよ。
自由に選んでみて~」
と。
本心では親御さんの機嫌をそこねてしまうかなとドキドキでしたが
結果的には言ってよかったんですよね。
女の子はピンク色のカエルをお母さまと一緒に描き上げ
笑顔で帰っていきました。
でも、私の中で言ってよかったのかな・・・とモヤモヤっとしたものが
暫く残ることになるのです。
嬉しい再会は突然に
その後、だいぶしばらくたったころ。
まったく別な場所で企業様からご依頼いただいたWSイベントで
パステルアート体験をさせていただいた時のこと。
なんとご予約されたご家族のなかに、その女の子のご家族が!
「以前体験したときに先生が自由に描いていいんだよって
言ってくださったことがきっかけで、あれから娘と自宅でも
パステルを楽しんでいます。
とても楽しかったので、今日は家族で参加しに来ました!」
お父様、お母様と三人で体験に参加してくださったんです!
再会できただけでもうれしいのに、そんなお言葉まで頂けて
もう本当にうれしくて仕方なかったのを覚えています。
自由な発想力をもつことのきっかけに私がなれたこと・・・
あの時のわずかに浮かんだ心の中の後悔が自信へと変わった
きっかけになったエピソードとなりました。
最後に
この女の子との出逢い以外にも、今まで活動してきた中で私が発した
「自由でいいんですよ~」
の一言で
眠っていた感覚を取り戻せた大人のかたや
絵が好きになったお子様などに沢山であうことになり
やはり自由な発想力の大切さを心から感じています。
私の授業では、そこを一番に考えてお声掛けもしております。
というのも、なにより私自身が自由人だからってのもありますがね。
大人になってからでもやわらか頭の感覚は取り戻せます!
もっと言えば、まず子供の頃から「自由な発想力」を大切にしていけたら
これから長い人生を生きていく中で活かせる部分は大きいはず。
自分で考えられる子にきっとなっていくのではないでしょうか。
やわらか頭の芽を大人が摘み取ってしまわないような子育てを
ぜひ沢山の親御さんにしていっていただきたいです。